●Serve21-1.Digest
外山茂樹/21世紀へのメッセージ
●地球環境を救う“かけ声”たちを総点検 <その1>
地球環境救う “かけ声“ たちを総点検
内容紹介/ダイジェスト版
<詳しくは各章をご覧下さい>
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§1 「もったいない」というお念仏 |
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(内 容)
●地球環境にことよせて、近頃「もったいない」という言葉が受けている。2005年に愛知万博が開かれたころ、ノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイ女史が来日し、この言葉に感銘したことから、「もったいない」運動というのも立ち上げられた。
●もともとこの言葉は、佛教の悟りの境地「勿体無い」に由来している。つまり目の前のものも無いと悟ることから、生きてゆくのに必要な分だけ使わせていただくという境地である。
●ここでは、熱力学のエントロピーという量を当てはめて、その大きさを数字で表してみた。「もったいない」という悟りが大きいと、エントロピーは大きくなり、「もったいない」ことはその逆に小さくなる。
●地球温暖化を防ぐために、2酸化炭素ができるだけ出ないようにする話し合いが進められている。NHKでは、ホームページ(/co2)に生活行動に伴う2酸化炭素発生量を掲載している。これも、「もったいないこと」の数値化の1つである。人が1日に息から吐き出す2酸化炭素を1キログラムとして、この数値で割れば「もったいないという心」という悟りの大きさも数字で示すことができる。このほかに、食べ物がどの程度のエネルギーを使って消費者のもとへ運ばれたかを示す「フードマイレージ」(重量×輸送距離)という数値も提案されている。しかし人がこういった計算をすると、どこか生臭いものがでてくる。
●「もったいない」はこれらを総括する深い意味がある言葉で、「もったいない」経済学の体系化がまたれる。
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§1「もったいない」というお念仏 <もくじ> |
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(1.2)2つの万博とゴミの収集 ●大阪では「先端技術は分別用●愛知では「先端市民は分別バッチリ」 ●自然の叡智「マンモス」は語る (1.3)「もったいない」の語源をたどれば ●禅問答「勿体無」(もったいない)という「方便}●「もったいない」と「吾唯足知」そして「百鬼夜行」 ●「もったいない」と同じイスラムの教え「3つの胃袋」 (1.4)「もったいない」を測る物差し「エントロピー」 ●クラジウス先生のもったいぶった』定義「エントロピー」●芥川龍之介」の小説「河童」は「ネゲントロピー」 ●「生命力」を「欲望」で割れば「エントロピー」 ―それを大きくする心が「もったいない」・その無限大は「悟り」― ●エコロジカルユニットを使い「もったいない」を数値で採点 ●便利(コンビニ)を掘り起こして「もったいない」の山 ―待たれる「もったいない経済学の体系化―」 (1.5)科学と文化の行き違いから調和へ ●消費大国アメリカのカルチャーショック●文明の薫り豊かなマロニエの木陰で―飲み水の品格 ●茶の湯に見る文化と科学の融和 |
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●地球環境を救う “かけ声” たちの総点検 <その2>
§2 「リサイクル」 と いうお題目 |
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(内 容)
●資源や環境問題から、「リサイクル」という「かけ声」がにぎやかである。リサイクルといっても、その対象や方法がいろいろあるために、どれが一番よいのか分かり難く、リサイクルなどは意味がないとう論評まであって混乱している。偏った見方や珍談、奇説が横行し、本当のことが分からない。
●混乱のもとは、これを理解するには専門的な知識が求められるからである。リサイクルとは捨てられた物をもう一度使えるようにすることであるから、化学製品を造るプロセス工学という専門知識がその有効性を判定する基本になる。プロセス工学といわれても、一般にはなじみがないかも知れないが、リサイクルの意義を判断するには必要なことなので、ここでは基本的なことを出来るだけ分かりやすく説明した。
●リサイクル工程における物質やエネルギーの出入りをしっかりと把握して、最後にはソロバンに合うかどうか見定めるという流れである。ただ、リサイクルは公共事業と営利企業にまたがっていて、また対象とする物や方法によっていろいろな形があるので、物事を全体的に捉えなければならない。
●ここでは、「もったいない」のところで紹介したエントロピーという物差しを持ち出して、一般の人にも分かりやすい方法と、事例を紹介した。結論は“1に節約(文化)2に節度(文明)3,4がなくて5がリサイクル(現実)“という、理系とか文系の知識を超越した領域でとらえている。
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§2 「リサイクル」 と いうお題目 <もくじ> |
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(2.2)リサイクルのループ (2.4)エントロピーの物差しで測れば |
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●地球を救う “かけ声” たちを総点検 <その3>
§3 「持続可能」というつじつま合わせ |
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(内 容)
●「持続可能」というかけ声は、国連世界委員会の目標として掲げたものである。そこには、現在の生活レベルを低下させないという前提がある。これは「もったいない」の推進とは矛盾している。これは人間はこの程度のものという前提の政治的決着である。そのためにリサイクルと同様につじつま合わせの分析から、人口削減以外に持続可能などもともと不可能という説や考え方も横行している。混乱をとくには、資源と環境問題の本質をここでもう一度よく整理して考えなければならない。
●そこで先ず資源の定義を明確にし、それから環境問題については、公害問題の発生から環境基本法の成立過程を振り返って整理した。
「持続可能」とは、この資源と環境の両方を地球全体からみて、すべての人々が生活レベルを落とすことなく持ちこたえられるかという政治的問題である。ここでは、日本の工業規格(JIS)を国際標準規格(ISO)に整合させる作業部会に参加した体験から、「持続可能」という地球全体に及ぶ問題を議論するときには、それぞれの地域、国、文明文化、歴史や思想に支配されるという見解を示した。
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§3 「持続可能」というつじつま合わせ <もくじ> |
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●イスラムにおける井戸をつかう「掟」 (3.3)「法律」における「罪と罰」 ●公害問題発生の頃●動脈と静脈というトータルシステム ●規制値という公害対策 ●国際化への広がり―ISO1400とヘゲモニー文化 (3.4)ヘゲモニーを超えて「持続的融和」 ●「持続可能な社会」の立案の難しさと具体的な動き●科学技術者が描いた「持続的発展」のシナリオ ●持続可能のカギは文化(掟)と文明(法律)との融和 |
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● 地球環境を救う “かけ声” たちを総点検 <その4>
§4 「科学技術」という両刃の刃 ―長い歴史の尺度で点検すれば― |
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(内 容)
●地球環境を救うことに、科学技術は果たして「打ち出の小槌」のように、いつまでも思うことは何でも叶えてくれるであろうか。その答えをたずねるために、科学技術とは何かを考えてみよう。これまで「科学」と「技術」を続けて1つの言葉にしていたが、実はそれぞれ別の生い立ちをしているのである。
●「科学」はルネッサンスの産物でキリスト教の懐から生まれ、産業革命が求める「技術」のベースになったから、両方が合体して「科学技術」という言葉が生まれている。それはついこの間の18世紀、いや「科学技術」が本格的に人間の生活に入り込んできたのは20世紀である。地球環境を脅かすような影響力を持つに至ったのは、長い地球の歴史からみれば、あっと言う間の出来事といえよう。
●紀元前のずっと昔の文化から生まれた技術は、鉄にしてもガラスにしても紙にしても、皆いまのアジア、アラビア地域から発祥している。地球環境は文字通り地球全体の問題であるから、これからは「科学技術」だけでなく、挿絵にあるように、それぞれの文明に融けこんだ技術によって解決されなければならない。
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§4 「科学技術」という両刃の剣―長い歴史の尺度で点検すれば <もくじ> |
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●イギリスの産業革命とナポレオンの栄光 ●観念論kら目覚めたドイツの巻き返しと日本の文明開化 ●ベルリンの菩提樹の木陰で大正ロマンを語る (4.2)文化と文明の周波数 ●古代文明と唯神教●地中海文明の盛衰 ●唯神教と多神教民族のそれぞれの道 ●文明と文化の融合 ― なんとかテクノロジー (4.3)科学技術はもう主役ではない ●「欲望の開放」と「滅亡への恐怖」●アメリカンドリームと科学技術 ●「さむらい」と日本の科学技術 ●地球環境という「滅亡への恐怖」―ポスト・マルキシズム ●文明の興亡を見据えた特攻隊出撃前の言葉 ●赤提灯で地球環境戦争の行方を語る |
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●⇒§4 「科学技術」という両刃の剣―長い歴史の尺度で点検すれば のページへ |
● 地球環境を救う “かけ声” たちを総点検 <その5>
§5 「豊かさ」で「幸せ」の扉は開かない ―地球環境を戦勝国には任せられない― |
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(内 容)
●日本の社会では「豊かさ」に倦みはじめ、豊かさだけでは「幸せ」は得られないと感じるようになっている。総務庁の調査などによると、3分の2以上の人が「物質」よりも「精神的豊かさ」を求めているという。それでは精神的な豊かさとはなにか、ここでは次のような幸福の4階建て構想を紹介している。
1階:人間の本能的な快(恋、富、名誉など)を得て増やす。
2階:獲得した快を永続させる。
3階:苦難や悲しみを経験し、これを克服する。
4階:克服できない苦難や悲しみの中に幸福が。
●現在のように、科学技術がもたらす刹那的な便益を、惜しげもなく行使する文明は、早晩行き詰まる今や誰でも気付いている。しかしそれは、「持続可能な発展」などというキャッチフレーズでお茶が濁せるものではない。
●いずれ迎えねばならない「膨張しない社会」を想定するならば、発展という言葉は捨てなければならない。生と死を見つめて、過剰な増殖もなく消滅もないメタポリスムを実現するためには、3階、4階の幸福を求める心が必要である。
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§5「豊かさ」で幸せ」の扉は開かない ―地球環境を戦勝国には任せられない― <もくじ> |
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●「豊かさ」を求める経済学の限界 ―市場原理では地球は救えない― ●Satisfactory(満足)は「悟り」ファクトリー 「豊かさ」は退化をもたらし「幸せ」は自己矛盾 (5.2)ちょっぴり粋な数学で地球環境を占う ●第1幕 東海の小島の磯:悲しき業(サガ)よ「啄木」の式●第2幕 赤提灯:自然は不平等という非情な数理 ●第3幕 赤提灯:「成長の限界」をグラフで示した システムダイナミックス(SD)という数学 ●第4幕 赤提灯:「カオス」という落とし穴 ●第5幕 赤提灯:アナポリスとメタポリズム 忍び寄る文明の暗雲を曲線で画く (5.3)恃むは「豊かさ」を放出する「幸せ」 ●「豊かさ」と「幸せ」の関係式●幸福の4階建て構造 ●布施・サダカ・チャリティー ●メタステーブル点への求心力 |
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●地球環境を救う “かけ声” たちを総点検 <その6>
§6 締め括りはライフサイクル教育と国際協力の奨め |
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(内 容)
●これまで述べてきたことをベースにして、環境問題に関する生涯教育という構想をまとめている。
●初等教育では資源を無駄にしない身近な生活の知恵とか、制度作りの体験などが挙げられよう。知識としての情報は基礎知識、専門知識や新知識などがあるが、その教育は高等教育、社会人教育の各段階で修得される。
●初等教育では共同生活によって身の周りの人たちと仲良くし、助け合うことの尊さを教え、高等教育課程では修得した知識を活用して発展途上国への奉仕活動を通じてグローバルな視点を養うようにする。社会人には幅広いステータスがあるから、ライフリサイクルを体験させる。すなわちステータスというエントロピーを時々大きくしたり小さくして揺さぶりをかけて、お互いの立場を考えて身勝手なことをしていないか、しきたりに流されていないかなど自らを省み、専横や沈滞を戒め、多くの階層への気配りを忘れないようにする。初等教育では自然に接して養われる情操、すなわちエントロピーの原点指向を、自然へ引き戻す揺さぶりである。核家族化は人の終末を見届ける機械を奪っている。高等教育を受ける年齢に達すれば、福祉活動に参画して、人と物の終末を見届けるのもよいであろう。そして社会人になれば、余暇を計画的にさいて本格的な国際公共事業に参画するのである。福祉活動や奉仕活動を国民の義務とする制度を考えてみると、エントロピーの揺さぶりにもなる。これは税金以上に必要で有効であろう。
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§6 締め括りは情報革新が生み出す教育と国際協力 <もくじ> |
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●共産主義から無神論が乗り移り 「見えざる手を失った市場経済 (6.2)情報革新が生み出す新しい文化 ●懐のケイタイに蘇る「見えざる手」●情報理論による物と心と神の認識 ●2元実在論による文明と文化の融合 ●2元実在論による思想の調和 (6.3)教育こそ最重要課題 ●エントロピーという地球語●エントロピーはたのもしからずや ●2元論哲学によるエントロピーのゆさぶり ●ステータスをゆさぶるライフリサイクル ●地球を救う生涯教育 ●「国際協力」という「見える手」を差し伸べよう 戦勝国の押し付けは文化の汚染 ●軍事費を地球環境対策に (6.4)奉仕活動を税金のように義務化して地球の逆襲を防ごう |
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地球環境を救う“かけ声”たちを総点検
【主な内容と項目】
編 著
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外山茂樹
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製作・発信
I.T.I
COSMOS
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