Contents-9 Voice Recorder ・・声と声の輪の拡大/2006/10/20

Voice Recorder
<ぼいすれこーだー>

今生の何時か・・何処かで・・
共鳴(同調)したコールサイン・・メッセージ・・言葉と感性の不思議な巡り合せ・・・!
時の流れの中で・季節・時節の風のように巡り来たって
繰り返し・繰り返し光と影を落す木漏れ日のように・・・!

声の記録 ドイツの原子力物語 −ダーレムから世紀をこえて− 
P.アウアー原著  外林秀人 外山茂樹 訳編著

本書は多くの方々との不思議な出遭いと、暖かいご支援、ご好意に支えらて産声をあげることができました。皆様のご温情に心から感謝申し上げます。これから二歳、三歳の誕生日にむかって歩を進めてまいりたいと思います。つきましては、ご声援を賜りました方々の『声』の一部をここに記録させていただきたく、よろしくお願いもうしあげます。併せてご感想、ご意見、ご批評などお送りいただけると幸いに存じます。

声の記録/ダイジェスト>

本書のテーマをそれぞれの立場で考え・受け止め・・・声と声の輪を拡げて参りたいと思います。

受付事項 「ドイツの原子力物語」によせて・・・声の記録/ダイジェスト

2003/10/03

神坂:<広高の同期生、関東同窓会会報[薫風」の編集者の一人。>
いろいろ用事があって手間取りましたが、「ドイツの原子力物語」感銘深く読了 しました。
関東同窓会会報[薫風」にその紹介文を添付資料の通りつくり今日発送しました。

外山さんのあとがきの最後に「ミネルバの梟」が引用されていますが、広高寮歌の「黄昏る想」(羽白幸雄さん作詞)の黄昏る想とは何だろうと調べたとき、この「ミネルバの梟は黄昏とともに飛ぶ」という言葉に接し、これと関係があるのではと思ったことがありま す。「叡智はいよ いよ駄目だと思ったときに初めて生まれる」という意味のこのヘーゲルの言葉で 締めくくられたことはこの本の意義を真に端的に表していると思いました。>

私の広高3年間のクラスメートである外林秀人君が編者となっている「ドイツの原子力物語」を紹介いたします。
平成14年の薫風第65号の談話室に「ベルリンの壁」という一文があるのでご記憶の方も折られると思いますが、外林君は京都大学工学部工業化学科から日独交換学生としてベルリンのマックス・プランク財団の研究所に留学したのが縁で以後この研究所に奉職し、現在そこの名誉教授((削除しました)となってベルリン在住日本人の長老としても活躍しています。

 彼は広島高等師範学校の特殊学級(理数科に優れた中学生を全国から選りすぐり勤労動員を免除して強を続けていた学級)で授業中に被爆し、彼の母上も原爆で亡くなっています。

 「ドイツの原子力物語」はドイツ人文芸記者ペーター・アウアーの原著「ダー レムから広島(原爆の歴史)」を土台とし、ベルリンのダーレム地区にあったカイザー・ウィルヘルム化学研究所で「真理の探究」と真摯に取組んだドイツの研究者たちが「核分裂」を発見した過程、ナチスによる迫害との係わり、そして彼らが夢にも思わなかった原爆との結びつきを物語風に綴っています。

 私たちがあまり良く知らなかったドイツの原子核研究の真相や、有効に利用すれば確かに人類の幸福に貢献する原子力を21世紀において如何に取扱うべきかと いう問題提起(最近の核拡散やテロ問題もからめて)も含む、大変示唆に富んだ 読み物です。文科の方にも理解しやすく書かれていますのでご一読をお勧めします。原子科学史の教科書と しても好適と思います。

< 小生の気付き事項>
登場人物が多いので、読んで行くうちにこの人誰だったかな?と思った時に前に 戻ってページをめくり確かめることがよくありました。そこで、主な登場人物について巻頭にリストを作り、役職や業績を簡単に一行位に示しておくと便利では ないかと思料します。索引はありますが、それとは別にこのようなものも欲しい と思いました。(広島の仁田一也も同意見でした)

2003/11/10

岡田 眞樹(Masaki OKADA) フランクフルト日本総領事

ご無沙汰しております。 ご著書の「ドイツの原子力物語」をお送りいただき、ありがとうございます。8月にお送りいただいたのに、今までご返事もせず、失礼しました。
 一旦読み始めたのを途中で中断してしまい、中途半端な状態で読後感も書けないため、ご連絡するのを躊躇してしまった次第です。久しぶりに週末時間が取れたので、一昨日、昨日で読了しました。

 ダーレムのハーン、・マイトナーの話に始まり、戦後のソ連、イギリスの話から最近の原子力発電を巡る問題までとても幅広いテーマに及んでいて、びっくりしました。オットー・ハーン、マイトナー、ストラースマンについては、初めてその人となりに接することができて、とても興味深かったです。
 最近の問題は、改めて知識の整理に役立ちました。他方、ドラマとしては、ダーレムでの研究とそ のころの日独学術関係のあたりが、書かれたものとしては初めて読んだし、とても面白かったです。
 あらためて、ナチスの政策が多くのユダヤ系インテリ・・学術だけでなく芸術もそうですね・・をドイツそしてヨーロッパから追い出す結果 になり、その凋落に大変手を貸してしまった、ということを確認した次第です。
全体の流れとは別に、さまざまなデータを確認させていただいたところもあります。(ポツダムでの三首脳の滞在先、など)

  いろいろなところに、日本の研究者としてのご意見が入っていたので、単にドイツの人が書いたものとは異なって日本からの視点が確認できたことも、良かったです。ここまで付け加えたところが重要になっていると、もっと進んで原著は単なる参考にして新しく書き下ろされた方がすっきりしたかもしれませんが。

 化学研究所の後継機関であるオットー・ハーン研究所がマインツにあるということなので、そのうちに門の外からでも見学してみようか、と思っています。 どうもありがとうございました。これから寒さに向かいます。ご自愛ください。
-----------------------------
岡田 眞樹(Masaki OKADA)
msk@okada.de http://www.okada.de

2003/11/28

篠崎資志(Shinozaki Motoshi)

 Permanent Mission of Japan to the International Organizations in Vienma
 の原子力専門家でベルリン日本大使館員に紹介頂いた方です。

はじめてメールさせていただきます。ウィーン国際機関代表部に文部科学省から出向しております篠崎と申します。

 このたびは、お書きになった「ドイツの原子力物語」をお送りいただきどう もありがとうございました。第一章のダーレムのハーン、マイトナーの物語 については、学生時代より特に関心をもっていた所で、一度系統立って当時の歴史を調べてみたいなと思っていたところに丁度先生の本をいただき、大変興味深く拝読させていただきました。(個人的にはこれ以前のメンデレーフの周期律表の話等も非常にドラマチックな話として学生時代に感銘した所 であり、機会をみてこのような所も探してみたいと思っています。このよう な科学の感動的なストーリーは、私の親元の文部科学省にとっても科学への 関心を高めるための重要なエッセンスかもしれません)
>
 第二章から第四章の科学ストーリーから政治ストーリーへの移行の過程は、 私が原子力を学生時代に専攻し、その後研究官でなく行政官になることを決めた大きな理由の1つですが、漠然とイメージとしてとらえていた1つ1つの経緯がそれぞれの国の葛藤を含め、なぜあのような歴史をたどったのかを非常にわかりやすく知ることができました。読み始めた当初は、原著の「ダーレムからヒロシマへ」がなぜ「ドイツの原子力物語」という表題にされた のか不思議に思っていましたが、読み進んでいくうちに、ドイツの科学、科学者、政治がいかにこの分野の歴史の源泉になっていたのかをよく把握する ことができました。
>
 現在の当方の懸案にとって一番関係が深い第五章は、また、一番悩ましい 所でもあります。もしかしたら解のない問題に一所懸命取り組んでいるのかもしれませんし、仮に答えが見つかったとしても私の現役中ではないかもし れません。このあたりは、頂いた問題提起等も踏まえながら私なりに今後も精一杯考えていきたいと思っています。
>
 なお、当代表部内には日本の書籍を集めた文庫があり、館員の間で頻繁に本の貸し出しが行われています。頂いた本もその中に入れ、関心のある関係 者にも読んでもらおうと思っていますので、ご了承いただければ幸いです。
>
 いただいた本が当地に届いた日にここIAEAでは理事会が開かれ、イランの核開発を非難する決議が採択されました。昨年のイラク、北朝鮮に次いでここ1年あまりは国際問題となる懸案にことかかない状況ですが、今の核開発を巡る政治状況をかのダーレムの科学者達が向こうの世界でどのように 見ているか、これも私の関心事の1つです。
>
> ------------------------------------
> 篠崎 資志
> 在ウィーン国際機関日本政府代表部 参事官
> Motoshi SHINOZAKI
> Counsellor
> Permanent Mission of Japan
> to the International Organizations
> in Vienna
> TEL +43-1-260-6314
> FAX +43-1-263-6749
> Email: motoshi.shinozaki@mofa.go.jp
> ------------------------------------


2003/10/07 


Prof. Dr. H. Sotobayashi


Fujiko Kobayashi

The Library, SOAS University of London

「ドイツの原子力物語」をロンドン大学SOAS図書館、日本コレクションに加えさせていただくことに、お礼を申し上げます。
 ロンドン大学ばかりではなく、英国内外の研究者にとっての大切な文献として利用されることと思います。

当館のカタログは http://195.195.181.2でご覧いただけます。ユニコード(UFT-8)対応のコンピュータの場合はhttp://195.195.181.2:1080で日本語表記を添えたカタログを見ていただけます。ローマ字の検索はヘップバーン(改訂版)をお使いください。
 当館に対するご厚意をいただきありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

小林富士子
Fujiko Kobayashi(
Japan/Korea Librarian)


2003/11/03


Professor Doctor Hideto Sotobayashi

「ドイツの原子力物語」ご寄贈有難う存知ました。ご本の中に出てまいりますプリンストン大学は現在の勤務先、またマックスプランクは、Tubingen 大学に呼んでいただいたときの宿泊先が、マックスプランク研究所の宿泊施設でしたので、何かご縁があるようで、興味深く拝読いたしました。アインシュタインの研究室は主人の研究室の隣、私の勤務する東亜図書館と、同じ建物にあり、アインシュタインをモデルとしたIQ も Beautiful Mindも ここでロケーションをしたところです。

ブッシュ大統領の強引極まりないイラク戦争などで、これから先も、原子力を戦力につかわれなくなりましたが、何とか平和が続くように祈りたいと思います。一言御礼にかえて。

牧野 泰子

PRINCETON UNIVERSITY LIBRARY
East Asian Library